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故人のパソコンに残されたデジタル遺産のデータサルベージ

パソコン上にはあらゆるプライベートな情報が保存されており、使用者に万が一のことが起きて故人となった場合は「デジタル遺産」と呼ばれます。

オンラインバンクやクラウドサービスのアカウントなど紙媒体で残っていないものはパソコンから調べていくしかなく、場合によっては専門の業者などへ依頼が必要になります。そこで今回は故人のパソコンに残されたデジタル遺産のデータサルベージについてご紹介します。

パスワードなどでロックされている際はキーボードやタッチパネルの使用痕を観察

基本的にWindows10ではMicrosoftアカウントと連携させるためパスワードかPINコードの設定がされています。そのため仕様歴が長いパソコンではパスワードやPINコードで使う特定のキートップだけ汚れやすり減り具合が異なることがあります。

もしタッチパネル採用のパソコンなら指紋の痕跡から推測しやすいため安易に触れず、まずは状態をくまなく観察するとパスワードを見つけるヒントになります。

ローカルアカウントならパスワード解除の手法は確立されている

Windows10にかぎらずローカルアカウントならパスワードの変更や強制削除の手法は確立されています。Windowsのインストールディスクから起動させて変更を加える方法や専用のツール群を使って手軽に解析する方法は失敗しにくく、初心者でも手順を守ればパスワード解除は可能です。

Microsoftアカウントでロックされているならパスワードの変更やOSを変えてアクセス

難易度の低いローカルアカウントに対し、Windows8から導入されたMicrosoftアカウントはパスワードの解析が困難です。もし故人の携帯電話などと紐付けされていればオンライン上でパスワードを修正し、Windowsへログイン可能ですが確実性は低めです。

もし写真等のデータだけが目的ならUSBメモリから起動可能なLinuxなどを使ってOSに一切変更を加えずにデジタル遺産をサルベージ可能です。他にもWindowsのインストールディスクから起動し、OS内のファイルを書き換えてログイン可能なローカルアカウントを作成する方法も一般的です。

Windows10のログインパスワードを忘れたときの解決法

BitLockerなど暗号化されている際はサルベージ不可能なケースも

Windows10 Proの機能であるBitLockerはパスワードの盗難や紛失時にデータ漏洩を防ぐ機能ですが、故人のパソコンでBitLockerが有効化されていると対処が厄介です。

BitLockerの解除には解除キーか有効にしたMicrosoftアカウントでログインする必要があり、解除キーのありかやMicrosoftアカウントを突破できないと何もサルベージできません。

BitLockerのメリットとデメリット

業者へ依頼する際はトラブルに注意

最近ではデジタル遺産のサルベージサービスを行う業者が増えていますが、パソコンを宅配や預けて作業を依頼すると思わぬトラブルに遭遇することがあります。

業者によるデータ漏洩や輸送中の事故や盗難というトラブルはわずかな件数ではありますが実際に起きており、大切なデジタル遺産が二度と帰ってこないというリスクがわずかに存在します。

データ復旧業者の選び方

デジタル遺産のサルベージ料金は相場が存在しない

正常に動作してたパソコンからのデジタル遺産サルベージやカウントトラブルの作業料金はガイドラインなどがなく、作業の難易度や作業時間に関わらず自由に価格設定されています。

実際には数分で終わってしまう作業でも業者の都合で受付順に処理され、結果的に数日間かかるケースや非常に割高な請求をされる事案もあるため概算の見積もりや最低料金を事前に問い合わせることをおすすめします。

まとめ

Windowsのログイントラブルは事例が多く、余程のことがない限りユーザー自身で対処することが可能です。しかしオンラインサービスの課金停止や各種手続きのため、早急にデジタル遺産を回収するなら業者への依頼も見当することになります。その際は出張訪問で作業をしてくれる業者を選び不要なトラブルを避けることをお勧めします。