VLOOKUP・HLOOKUPはそれぞれ縦軸・横軸方向に検索し、一致した列や行のデータを返す関数でありユーザビリティーに配慮したワークシートを作る上でほぼ必須の関数です。実際にExcelをどの程度使いこなせるかどうかをVLOOKUP・HLOOKUPの使用経験で判断されることも珍しくありません。
そして最新のOfficeでは後継となる関数が登場し、より使いやすく便利になることがみこまれています。そこで今回はExcel中級者の必須関数VLOOKUP・HLOOKUPのバージョンアップについてご紹介します。
VLOOKUP・HLOOKUPはExcelが登場した時から実装されていた関数
Excelは1989年に日本語のバージョンがリリースされ、その当時からVLOOKUP・HLOOKUP関数が実装されていました。指定した数字と完全一意または近似値を探し、同じ行のデータを返すことで様々な用途で活躍します。
しかし仕様設計から30年以上が経過し、使い方が大幅に発展した現在では使いにくさや融通の利かない点が指摘されてきました。
VLOOKUP・HLOOKUP関数を使うには使用条件が多く、関数に合わせたワークシートを別途作ることも珍しくない
VLOOKUP・HLOOKUP関数にはいくつもの制約があり、VLOOKUPなら検索したい列より右側のセルを参照できず、HLOOKUPなら検索したい行よりも上は参照できません。
ユーザーはVLOOKUP・HLOOKUP関数用にワークシートを作り、近似値を求める際はデータの並び替えも必須でした。結果的に大元の表から検索用のワークシートを作り連動させるという複雑な操作が避けられず、Excel初級者には大きなハードルとなっていました。
VLOOKUP・HLOOKUPで参照するワークシートは編集作業中に崩れやすい
使うために工夫が必要なVLOOKUP・HLOOKUP関数はワークシートの編集にも弱く、参照するセルがズレやすいというデメリットがあります。これは参照するセルの位置を数値で指定する仕様のため、ワークシートに列や行を挿入・削除した際に関数が連動せず手作業で正しい数値を入れ直すためです。
その結果VLOOKUP・HLOOKUP関数を使うことでワークシート全体が制約だらけになり、印刷用や全体の把握用に別途ワークシートを作る作業が発生しがちでした。
XLOOKUPではVLOOKUP・HLOOKUPの両方をまとめて実行できて編集にも強い
2019年後半に登場予定のXLOOKUPはVLOOKUP・HLOOKUP関数の後継であり、縦軸・横軸のどちらでも検索可能です。
参照するセルも数値ではなくセル範囲で指定可能になったことで柔軟性が増し、ワークシートの編集で崩れにくくなりました。近似値の検索時も因数を追加すれば昇順・降順にデータを並び替える必要もなくなりました。
まとめ
XLOOKUP関数はOffice365や次期バージョンのOfficeでしか動作しませんが、今後はVLOOKUP・HLOOKUP関数から移行していくとみられています。最新の関数はマルチスレッドに対応することで大幅に処理速度が向上しているものも多く、XLOOKUP関数も最適化がされていると思われます。
なによりVLOOKUPとHLOOKUPの使い分けが不要で自由度が増したことによる効果は絶大なため、旧バージョンのOfficeを使い続けているならXLOOKUP関数のために最新版へ切り替えることをおすすめします。