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新元号だけが問題じゃない2025年問題と2038年問題

新元号に変わることでOSなどソフトウェアへの影響が懸念されていますが、新元号以外にも日付に関する問題はいくつも指摘されています。ネットに繋がっていないオフラインで稼働するパソコンでも影響が出るであろうこれらの問題は新元号よりも深刻なトラブルを起こす可能性も秘めています。そこで今回は2025年問題と2038年問題についてご紹介します。

2025年問題は年号に起因する問題

2025年問題と聞くと少子高齢化問題と捉えがちですが、実はソフトウェア内部で昭和が続いていることに起因する問題でもあります。別名「昭和100年問題」と呼ばれるこの問題は日本国内の昭和をベースに日付を管理している古いソフトウェアで発生すると言われています。年を昭和の二桁で管理していると昭和100年となる西暦2025年に0年へ戻ってしまい深刻なエラーが発生します。

2025年問題の危険度は未知数

そもそもソフトウェア内部で昭和が続いているかどうかはソースを読み解く必要があり、過去の遺物となった時代遅れのプログラム言語は理解できる人も多くありません。

さらに開発元の撤退などでソースが残されていないようなソフトウェアは安全かどうか確認する手段がない場合もあり、昭和100年問題がどれほど危険なのかは不明です。新元号と違って日本国内で開発されたソフトウェア特有の問題と考えられるため海外のソフトウェアメーカーの製品であれば影響は少ないと見られています。

2038年問題はパソコンだけでなくストレージを搭載した機器でも障害が起きるかも

昭和100年問題は日本国内に限定された問題ですが、2038年問題は世界的な問題とされています。Unix時間と呼ばれる1970年1月1日0時0分0秒からの経過秒数で時間を管理するプログラムでは秒数を32Bitで表すことが昔からの慣習でした。

1Bitは2つ、2Bitは4つ、3Bitは8つまでしか表現できず32Bitも表現できる数に限界があります。この限界に達してしまうのが2038年1月19日であり、2000年問題より深刻な問題とされています。

そしてUnix時間を採用したファイルシステムも2038年1月19日より新しい日付を表現することができずエラーになります。具体的にはLinuxOSやNASで使われてきたext2やext3が該当し、ストレージを搭載した製品の多くが該当します。

古いファイルシステムには寿命がある

ext2やext3がUnix時間を採用していいため2038年で使用できなくなるように古いファイルシステムでは遠い将来寿命を迎えることが設計段階で分かっていました。SDカードなどで今も現役で使われているFat32も2108年までしか日付を表せません。

当時の開発者たちはシステムが寿命を迎えるまでに他のシステムに移行されると予測していましたが、実際には互換性の維持や古いソフトウェア・ハードウェア資産を延命させる中で完全に移行されることはありませんでした。

0から新しく作られたソフトウェアやファイルシステムでは日付に関する問題を克服している

同じUnix時間を採用しても32bitではなく64Bitを使うことで西暦3000億年まで対応させることが現在のソフトウェア開発における慣習となりました。

ファイルシステムもext3の後継であるext4では2514年まで使用でき、Fat32の後継であるNTFSでは60056年までの日付に対応しています。それでもext3やFat32を使用し続ける製品は世界中で無数に稼働し続けており完全移行にはまだまだ年数を必要としています。

まとめ

2025年・2038年共にまだまだ先の話のように思えますがATMのトラブルなど既に実害が発生しています。ソフトウェア内では日付を元にあらゆる処理を行うため、想定していない数値が出た時点で2025年より前にトラブルが発生しユーザーが不利益を被ることになります。

特に古いオフラインのパソコンや機器でもトラブルが発生するということはあまり知られておらず、いつまで安心して使えるか分からないということを念頭に置いておきましょう。