SSDの普及は進む一方ですがストレージとしてはHDDも現役であり、大容量で低価格という面からゲーミングパソコンでもサブストレージとしてHDDは多く採用されています。しかしSSDのアクセス速度に慣れてしまうとデータ保存用でしかないHDDにも速度を求めてしまいがちです。
これまでも低容量のSSDをHDDのキャッシュドライブにしてアクセス速度を改善するIntel Smart Response Technologyが登場しましたがRAID構成が必要で初心者には敷居が高い上にストレージトラブルにも弱いという問題がありました。
現在ではこれらの問題点を改善すべくIntel・AMD共に異なるアプローチでHDDを高速化する方法確立し、最新チップセットへ搭載しています。そこで今回はストレージの高速化技術であるIntel Optane MemoryとAMD StoreMIについてご紹介します。
Intel Optane MemoryはCore iシリーズのみ対応
Intel CPUの第7世代及び第8世代でCore iシリーズだけがOptane Memoryに対応しています。M.2ソケットへOptane Memoryを接続しますが16GBと32GBのOptane Memoryが販売されており容量が大きいほどキャッシュとしての効果が見込めます。
Optane Memory接続後はOptane Memoryソフトウェアのインストールと有効化を行うことでRAID構成にすることなくHDDを高速化できます。なおIntel CPUの第7世代ではHDDへOSをインストールしている場合にしか高速化出来ませんが、第8世代以降ではサブストレージのHDDも高速化出来ます。IntelではOptane Memoryで高速化したパソコンに対し「Core i+」というブランド名を付けて普及に力を入れています。
AMD StoreMIは最新チップセットで提供
最新チップセットのX470とB450で機能追加されたStoreMIはIntel Optane Memoryと基本的には同じです。ただしStoreMIはM.2 SSD・SATA接続SSDのどちらでも使用出来るだけでなく、HDDと結合されてひとつのストレージになるためストレージ容量に無駄がありません。
メインメモリに余裕がある場合は2GBまでストレージのキャッシュとして割り当てることでさらに高速化できる点も強みです。Intel Optane Memoryは最大32GBに対しStoreMIは最大256GBのSSDを扱うことができ、データ量の多い4K動画の編集に向いています。
もともとはFuzeDriveとしてAMD Ryzenユーザー向けに販売されていた機能をStoreMIとして最新チップセットへ搭載したことで普及を目指しています。
まとめ
HDDの高速化は手法が確立されるも敷居の高さや低い知名度が災いし、普及しなかった経緯があります。しかし近年ではIntel Optane MemoryはCore i+ブランドでBTOパソコンが発売開始・AMDは最新チップセットに搭載するなど知名度を上げた結果、普及の兆しが見えてきました。
もしHDDの速度に不満がありつつもHDDを手放せない際は最新世代のチップセットでストレージの高速化を体験してみることをお勧めします。とはいえHDDには様々な種類があるので「ゲーミングPC向けデータ用HDDの選び方」もあわせて読んでください。