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パソコン切り替え機のメリット・デメリット

パソコン切り替え機は1組のモニター・マウスキーボードで複数台のパソコンを切り替えて操作するための周辺機器です。インストールに膨大な時間を必要とした黎明期のパソコンやソースから時間をかけてコンパイル・ビルドするUnix系OSは数時間の待ち時間が当たり前だったこともあり普及しました。

他にも複数のマシンを必要に応じて切り替えて使用することでユーザーが移動する手間や設置場所を省くことが可能です。ネットワークを使ったリモートアクセスが登場しWindowsにも標準機能として備わってからもパソコン切り替え機は廃れることなく個人ユーザーやあらゆる業種で使用され続けています。そこで今回はパソコン切り替え機のメリット・デメリットについてご紹介します。

ひとつのUSBインターフェースと映像出力で複数台のパソコンを操作可能

パソコン切り替え機は複数台のパソコンと1組のモニター・マウスキーボードを接続し、適宜切り替えて使用します。切り替えでOFFになったパソコンは未接続状態になり、ONになった時点で再接続されハードウェア認識後に操作可能になります。

動作の遅いマシンでは操作可能になるまで数十秒かかりますが、認識後は通常と変わらないレスポンスを発揮できる点が最大の強みです。ネットワーク経由のリモートアクセスでは常に遅延が起きるためゲーミングなど一部の用途では不向きですが、パソコン切り替え機では心配不要です。

ハードウェア接続を物理的に切り替えるためBIOS設定が変更できOSの状態に左右されない

パソコン切り替え機はON状態にあるパソコンを完全に操作可能なためリモートアクセスでは入れないBIOSやUEFIの設定メニューが扱えます。

他にもメモリチェックやWindows起動中のHDDチェックなどもパソコン切り替え機なら問題なくコントロール可能であり、故障やトラブル時にも配線を変える必要はありません。

一方リモートアクセスはOSが正常動作し、サービスが起動している間しか使えず深刻なトラブルに弱い傾向にあります。

電源投入時や再起動時は切り替え必須の必須のパソコンがある

パソコン切り替え機に接続したパソコンの電源を入れる際は接続をON状態状態にする必要があります。これは多くのパソコンがキーボード未接続時に警告表示で起動が止まるためです。

常に電源を入れるサーバーマシンだとしてもメンテナンスで再起動する際には同じ理由でストップするため別途キーボードを直接接続しておくなど対処が必要です。

複数台を同時に状態チェックすることができない

パソコン切り替え機のデメリットは同時監視が出来ないことです。リモートアクセスならクライアント側もゲスト側も同時に操作できますが、パソコン切り替え機で扱える台数は常に一台のみです。

仮にOFF状態のマシンで何かトラブルが起きても気付くことは難しく、ユーザーが手動で切り替えてチェックしなければなりません。

接続マシン同士でデータのやり取りをする際は別途ストレージが必要

パソコン切り替え機で接続されたマシン同士でデータのやり取りをする際は通常のパソコンと同じでストレージの用意が不可欠です。リモートアクセスならクリップボードを公有してテキストやファイルを直感的にやり取り可能なことを考えると少し前時代的と言えます。

ディスプレイポートやHDMIなどサウンドデバイスを併用するケースでは手動で音声切り替えも必要

パソコン切り替え機を使ってサウンド再生を必要とするケースはスピーカー接続が重要です。ディスプレイポートやHDMI経由でモニタースピーカーを接続すると再接続後にサウンドデバイスが連動せず、手動による設定変更が必要です。

切り替えがOFFの間にはサウンドが鳴らない点もあり、スピーカーに関してはマザーボードから直接配線や別途サウンド用に切り替え機導入が必須です。

まとめ

原始的な構造ながらあらゆる状況で確実に動作するパソコン切り替え機ですが、常に複数台のパソコンを稼働させつつ使うには不便な点もあります。

利用するシーンによってはパソコン切り替え機とリモートアクセスを併用させることで利便性と機能性を補うことも可能ですので、パソコン切り替え機だけで使用せずに他の周辺機器やサービスと組み合わせることをおすすめします。