USB Type-Cには大電力を対象機器へ提供可能なPower Delivery規格があります。最近ではPower Delivery対応のノートパソコンが増えており、大きなACアダプタを一緒に持ち運ぶ必要がないため注目されています。
しかしPower Delivery対応機器は登場したばかりで発売されているものの対応確認が難しい一面もあります。そこで今回はPower Delivery対応機器を選ぶときの注意点をご紹介します。
Power Delivery対応なら手軽に充電できる
従来のUSB規格では5ボルト1.5アンペアの7.5Wが上限でしたが、Power Deliveryなら12ボルトと20ボルトが扱える上に5アンペアまで主力可能です。
この最大100Wという電力をノートパソコンなどへ供給できる点がPower Deliveryの魅力であり、今後普及が進めばメーカー・モデルごとに異なるACアダプタも不要になる可能性を秘めています。
Power Deliveryはモバイルバッテリーの電圧変更によるロスが少なく効率的
ノートパソコン向けにコンセント出力があるモバイルバッテリーやポータブル電源が販売されていますが、その内部では直流から交流へ変換しながら100ボルトへ変圧を行っています。
そしてノートパソコンのACアダプタでは交流から直流へ変換しながら15から20ボルトへ変圧しています。この変圧と直流・交流変換時に電力ロスが起きており、さらに電力の一部が熱として無駄に排出されます。
しかしPower Deliveryならわずかな変圧のみでノートパソコンへ電源供給できるため効率よくモバイルバッテリーを使用可能です。効率が高ければ稼働時間も延びることでユーザーにメリットもあり、直流だけの安価な製品が選べるという恩恵もあります。
2019年に搭載製品が登場予定のUSB3.2とはPower Delivery対応機器の電圧表示に注意
手軽でメリットの多いPower Deliveryですが、対応機器の性能表示が分かりにくいケースがあります。もしノートパソコン側の仕様が不明な際は対応する製品を探すことが非常に困難になるばかりか、必要とするボルト数に達しない場合は充電されず対応する機器を延々と探す羽目になります。
現在流通しているノートパソコンの中にはACアダプタ兼用でPower Deliveryにも対応を謳っているにも関わらず対応ボルト・アンペア数が公開されいない製品があるため、これからPower Delivery対応のノートパソコンを購入するなら仕様が公開されているのものを選びましょう。
マザーボードからスマホやタブレットを充電するUSB給電機能給電側にPower Delivery対応のポートが複数ある際は1ポート当たりの性能表示が重要
対応ボルト・アンペア数の表記はもちろん、複数ポートを備えている製品ではひとつのポート当たりの性能なのか全ポートの総量なのか記載がない製品が多くあります。
充電器全体で出力可能な電力量が十分でも1ポート当たりの性能が不足していれば充電できず、他の製品へ交換するしかありません。
まとめ
対応していれば便利でメリットの多いPower Deliveryですが製品探しにはまだまだ十分な下調べが欠かせません。
給電される側・給電する側両方が合致する組み合わせでしか使用できないため製品探しには苦労しますがメーカー独自のACアダプタから解放されるということを考えれば探す価値は十分にあります。もしどうしても仕様が不明な際は購入せずにメーカーや販売店へ問い合わせることをお勧めします。