外部接続用のインターフェースはUSBの普及率が高く、Type AからType Cへ移行が進んでいます。そのような中でUSB3.2が発表され遂に製品としてリリースされる見込みが出てきました。そこで今回は2019年に搭載製品が登場予定のUSB3.2についてご紹介します。
2017年に発表された当時は発売時期未定だった
USB3.2の規格や仕様は2017年8月に発表されていましたが、USBコントローラーの開発と量産化が遅れており製品化は2019年内の見込みです。現在普及しているUSB3.1も発表は2013年でしたが製品化は2015年と間があったため、今回のUSB3.2だけ発売が遅れたという訳ではありません。
USB3.1から正統進化し速度が大幅に向上
最大40Gbit/sのThunderboltに及ばないもののUSB3.2では20Gbit/sまで高速化されています。最大10Gbit/sだったUSB3.1からは2倍に性能向上しており、4K動画など大容量のデータ通信がさらに高速にやり取りを行えるようになります。コネクタの形状はUSB3.1と同じくType Cが採用されており、通信速度はケーブルの仕様に制限されますが従来品のUSBケーブルも利用可能です。
10Gbps LANアダプタなどThunderboltしか選択肢がなかったハードウェアもUSB3.2で変わるかもしれない
現在10Gbps LANアダプタなど一部の製品はThunderbolt接続しか選択肢がなく、拡張性の乏しいノートパソコンやコンパクトタイプのデスクトップパソコンでは諦めざるを得ないケースが多々ありました。しかしUSB3.2が普及すれば多くのパソコンで高速な周辺機器が利用できるようになると思われます。
ケーブル規格も新たに追加されケーブル探しはさらに難解になった
高速に進化したUSB3.2ですが、ケーブル規格も追加されたことでどのケーブルが適合するか調べる必要性が増しています。今回追加されたのはUSB 3.2 Gen 1(5Gbps)・USB 3.2 Gen 2(10Gbps)・USB 3.2 Gen 2×2(20Gbps)の3つであり、接続する製品の通信速度よりケーブル側の速度が遅いと充分に性能を発揮できません。
USB3.1が普及した現在でもUSBケーブルの仕様がはっきりしない製品があふれており、さらにUSB3.2の規格も増えてどのケーブルが20Gbpsなのかユーザーが戸惑う可能性は高いです。
同じType CのThunderboltは脆弱性の報告も
USB3.1よりも高速なThunderboltは圧倒的な通信速度故にハイエンドパソコンなどで多く採用されていますが、Thunderclapと呼ばれる脆弱性問題が起きています。他のインターフェースがハッキング対策の仕組みを実装しているようにThunderboltも簡単に侵入されないような仕組みがあります。
しかしこの仕組みを突破し不正なプログラムがメインメモリにアクセスできてしまう脆弱性がThunderclapです。Thunderboltで動作する機器が増えたことでThunderboltを狙った攻撃が増えると予想する専門家もおり、Thunderboltと同じく汎用性が高いUSB3.1や新しいUSB3.2にも同様の問題が広がっていく恐れがあります。
まとめ
USB3.2はUSB3.1とThunderboltの間を埋める存在として注目されており、2019年以降に生産されるパソコンへ多く採用される見込みです。周辺機器も10Gbps LANアダプタなどが登場すれば多くのユーザーがUSB3.2の恩恵を受けることができます。
対応ケーブルやマザーボードへ実装することによる価格の上昇がどうなるか不透明な部分もありますが、汎用性が高いインターフェースとして期待のできる規格であることは間違いないようです。