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Intel第9世代Core iシリーズで復活したソルダリングとは

Intelは製造コストを抑えるため第3世代のIvy Bridgeからソルダリングを廃止していきました。しかし最新のIntel第9世代Core iシリーズでは上位モデルのみソルダリングを復活して注目を集めています。そこで今回Intel第9世代Core iシリーズとソルダリングについてご紹介します。

ソルダリングは冷却能力を追求する上で必須

CPUのパッケージは基板上にCPUコアが実装され、その上からヒートスプレッダーで蓋をしています。ヒートスプレッダーはCPUコアが物理的に破損することを防ぐ一方、CPUコアの熱を逃がしにくくする要因になるためCPUコアとヒートスプレッダー間は金属素材で埋めるソルダリングが主流でした。

しかしソルダリングは製造コストが高く、Intelは第3世代Core iシリーズ以降はソルダリングを廃止し、代わりにソルダリングよりも冷却性能が低いグリスをCPUコアとヒートスプレッダー間に使用しました。

その結果、CPUコア→グリス→ヒートスプレッダー→グリス→CPUクーラーと熱を逃がす経路上にグリスが2回も挟むことになり冷却能力が大きく低下するから「グリスバーガー」とも言われています。

ソルダリング廃止後は殻割りが一般化

このグリスバーガー問題を解決するためにヒートスプレッダーを外しグリスを液体金属に入れ替える「殻割り」と呼ばれる改造が普及しました。現在ではヒートスプレッダーを簡単に取り外すツールが流通し、改造の敷居も下がっています。

もちろんCPUに改造を施すことによって製品保証は受けることができなくなりますが、その引き換えにCPU温度は大きく下がりオーバークロックや長時間の高負荷でも安定性が見込めます。

Intel第9世代Core iシリーズでソルダリングが復活するも一部環境では不安定な面も

モデル名にKが付くオーバークロック対応製品に限りソルダリングが復活し、6年間続いたグリスバーガー問題もやっと解決すると思われていましたが実は別な問題が発生しています。

確かにグリスバーガーからソルダリングへ切り替わっていますが冷却性能はあまり向上しておらず、オーバークロック状態では瞬間的に温度が急上昇するなど問題が発生しています。オーバークロックなしの定格運用でも動作温度が高く、ソルダリング以外の要素で冷却性能が落ちていると見られます。

現在疑われる問題点はヒートスプレッダーとCPUの厚み

CPUコアの熱をCPUクーラーへ伝える役目もあるヒートスプレッダーは体積や厚みが重要であり、特に十分な厚みがないと熱を吸収しにくいと言われています。Intel第9世代Core iシリーズではヒートスプレッダーが軽量化され、必然指摘に質量と厚みが減り十分な冷却性能が得られていないと考えられます。

しかし、ヒートスプレッダーに変更が加えられた原因はソルダリングではなくCPU基板とCPUコアの厚みが増したことにあります。製造上の問題でCPU基板とCPUコアの厚みが増した分をヒートスプレッダーで調整し、第8世代CPUとの互換性を持たせたため今回の問題が起きたと推測されています。

CPUコアを削ることで解決できるが難易度は上昇

CPUコアに至っては厚みが増したことでさらに熱伝導率に悪影響が出ているというユーザーの見解もあり、実際にCPUコアを0.2mm削ったことで動作温度が低下したという事例も存在します。しかし一歩間違えればCPUを破壊する危険な改造作業であり、今までの殻割りよりも難易度も失敗率も高くなったと言えます。

まとめ

Intelからの公式見解はありませんが、グリスバーガー問題の時と同じように製品回収して改良品を提供することはないと思われます。8コア化や高クロック動作による高性能をアピールしていただけに今回のIntel第9世代Core iシリーズに起きた冷却問題は非常に残念です。

今度どのような対策・解決方法が主流になるか定かではありませんが購入を検討しているユーザーは冷却性能の低さとどう付き合うか慎重に考える必要がありそうです。