HDDやSSD等の内蔵ストレージはもちろんSDカードに代表されるリムーバルメディアのデータ復旧は常に需要があり、国内外の多くのデータ復旧業者が存在します。業者間で情報交換や復旧技術の共同研究も行われていますが中には企業利益優先で危険な業者も存在します。
もし復旧を依頼するとなれば非常に高額な出費となる上に、もし普及できなければ仕事に支障を来すケースもあり良い復旧業者を見つけることはとても重要です。そこで今回はデータ復旧業者の選び方についてご紹介します。
複数のデータ復旧業者へ依頼することはハイリスク
データ復旧が必要となる原因は様々ですが、復旧の過程でストレージに何らかの変更を加えることが一般的です。そのため別な業者が診断や復旧を試みる際に原因の特定に時間がかかることはもちろん復旧率の低下にも繋がります。
さらに深刻なダメージを受けている場合は復旧に必要な作業時間が限られるケースもあり、複数の業者へ渡る間に復旧できなくなることが珍しくありません。そうならない為には復旧率が高く信頼できる専門業社をひとつに絞るしかありません。
データ復旧にセカンドオピニオンはない
ストレージ製品は非常にデリケートな上に部品故障や消耗による破損では時間経過と共にコンディションが変化しやすいという特徴があります。そのため最初に診断した業者と二つ目に診断した業者で異なる診断結果が出るということもあり得ます。
最初に診断した業者の作業により症状がより深刻化することも考えられるため、データ復旧においてはセカンドオピニオンはあまり意味を持ちません。
見積もりだけでキャンセルする時はデータが復旧できなくなる覚悟を決める
見積もり金額が折り合わず復旧依頼をキャンセルする際に注意したいのは、他の業者へ依頼しても復旧できる見込みがほとんどなくなる覚悟があるかどうかです。
診断や見積もり算出のために復旧作業を行い、あとは時間をかけてデータを転送させるだけの状態でユーザーへ連絡し金額と内容に同意を得てから進行することが一般的です。
もしこの時点でキャンセルすると復旧前の状態へ戻す過程でダメージを与えることになり復旧率は大きく下がります。さらに一部の業者ではライバル企業が復旧できないように手を加えて返却する行為が常習化しているため復旧率はほぼ0%になります。
自社内で復旧作業を行う業者を探す
データ復旧の業界では受注した企業内で作業を行わず他の業者に丸投げするアウトソーシングやフランチャイズが珍しくありません。中には自社で作業して復旧できそうにない場合だけ高度な技術を持った他社へ依頼する業者もあり、不要な作業でストレージにダメージを与えてしまう事例も存在します。
このような悲劇を避けるには自社内で復旧作業を行い、技術者と電話でやりとりが可能な専門業者を探す方法が最適です。公に下請け業者を使うことを教えてくれる業者はありませんが、自社内で作業を行っている場合はWEB上で公開しているため探すことは簡単です。他にも見積もりに対しての回答期限が極端に短い場合も自社内で復旧作業をリアルタイムで行っている証拠です。
データ復旧は特殊な行為であることを理解してから依頼する
データ復旧は車や家電の修理とは全く次元の異なる世界であり、一般消費者の常識が通用しにくいということを理解してから依頼することで無用のトラブルを避けることができます。
特に見積もり連絡からすぐに復旧するかどうかの回答を迫られた場合は復旧できるかどうか瀬戸際のコンディションであることが多く、決してユーザーをせかして高額な契約を結ぼうとしている訳ではありません。
また復旧に使用するドナー用HDDの価値は上がり続けており、復旧作業で消耗することも作業費用に含まれています。納期についてもストレージのコンディションが変化すれば数日単位で変動することはよくあり、業務怠慢やミスを隠している訳ではありません。
まとめ
データ復旧はユーザー自身ではどうしようもなくなった際に頼れる最後の砦ですが、優良企業と悪徳企業が入り乱れている上にデータ復旧の業界を知らないユーザーによる誤った批評やレビューがWEB上にあふれています。
しかしデータ復旧についてある程度正しい知識を得れば怪しい復旧業者や誤解しているレビューを見分けることは可能です。大切なデータを高額な費用で復旧依頼する前に、必要最低限の情報を収集してから業者選びを始めることで最終的に納得のいく復旧ができるのではないでしょうか。
自分で頑張ってデータ復旧することも可能です。詳しくは「物理破損したHDDからデータ復旧する方法」を御覧ください。