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間違ったWindows高速化設定とその理由

Windows10の無償アップグレードキャンペーンでWindows7世代のパソコンの多くがWindows10として延命できました。しかしそれは本来買い換えで廃棄されるはずだったパソコンが未だに稼働しているということでもあります。

Windows10は様々な便利な機能が追加された分、要求スペックはWindows7より上がっており無茶な設定で動作を軽くしようとするユーザーが増えています。そこで今回は間違ったWindows高速化設定とその理由について

DNSサーバーをNTT Americaへ変更する

通常DNSサーバーは設定していなくともインターネットプロバイダーが運営するDNSサーバーへ割り当てられますが、他のDNSサーバーを設定することでWEBサイトへ接続するまでの時間を短縮する方法が知られています。

本来はトラフィックの増加でインターネットプロバイダーのDNSが遅いときに試すべき方法ですが、少しでも早くしようと試みるユーザーが後を絶ちません。

中でもNTT AmericaのDNSサーバーはGoogle Public DNSよりも高速という内容を拡散するSNSやWEBサイトがありますが、利用規約について触れているものはほとんどありません。NTT AmericaのDNSサーバーはNTTの契約者専用であり、未契約者が大量に接続して正規の利用者へ迷惑をかける恐れがあります。

Windows Updateの配信の最適化をオフにする

DNSサーバーの変更と合わせてWindows Updateの配信の最適化をオフにする方法も拡散されています。配信の最適化はWindows Updateのデータをローカルネットワーク内のパソコン同士で相互にやり取りすることでMicrosoftのサーバーへのアクセスを減らす意図があります。

複数のWindows10パソコンでこの機能を無効にするとそれぞれのパソコンが個別にWindows Updateのダウンロードを始めるため、ネット回線を圧迫することになります。

もし配信の最適化が原因でネットが本当に遅くなるなら、それはローカルネットワークが遅いことに起因しておりルーターの買い換えやギガビット環境へ移行するなど根本的な問題解決が必要です。

Windows Defenderを手動でオフにする

ウイルス対策ソフトウェアを導入した際に競合を防ぐために様々な手段でWindows Defenderを強制停止させる方法を紹介するWEBサイトが多くありますが、ウイルス対策ソフトウェアはインストールする際に自動的にWindows Defenderの設定を変更しています。

そのためユーザーはWindows Defenderについて設定を変更する必要ありません。逆にウイルス対策ソフトウェアを削除した際や期限が切れた際に一切保護されないという危険な状態に繋がります。

電源プランを「高パフォーマンス」へ変更する

パソコンの性能を引き出す目的で電源プランを標準の「バランス」から「高パフォーマンス」へ変更する方法が拡散されています。電源プランは自動スリープやモニターをオフにする時間などプランごとに整理しているだけであり、性能とは関係ありません。

それどころか高パフォーマンスに設定すると常にCPUのクロックを定格のまま維持するため製品寿命の低下や内部の温度といった実害のある行為です。CPUは負荷がかかっていない際はクロックダウンすることで発熱と消費電力を抑えていますが、高パフォーマンス設定ではダウンクロックせず無駄な発熱と電力消費を続けてしまいます。

Windows Updateを停止する

度重なる不具合や動作が重たいという理由でWindows Update機能そのものを止めることを推奨するWEBサイトが多々あります。しかしドライバはモダンドライバとしてWindows Updateからインストール・更新する方向に進んでおり、Windows Updateで提供されるものの中にはすぐに適応しなければウイルス感染に繋がるセキュリティアップデートも含まれます。Windows Update機能を止めるとこれらを受け取ることができず、不利益の方が遙かに大きいと言えます。もしアップデートを完全に制御するならWindows10 Proへアップグレードするべきです。

まとめ

Windows7が発売された2009年からCPUは大幅に性能が向上しており、メインメモリも8GBが標準構成ということも珍しくありません。10年以上昔のパソコンを現役のOSで快適に動作させるにはスペックが圧倒的に不足しており、その不足分を安直な設定変更で補うことはメリットよりもデメリットの方が大きい行為です。

古いパソコンで動作が遅いならハードウェアのアップグレードから検討し、設定の変更は十分な知識を得てから行うことをおすすめします。