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シングルスレッドでもIntelを超えたAMD Ryzen第3世代

長らくマルチスレッド性能では負けてもシングルスレッド性能で優位に立ってきたIntel製CPUですが、新たなAMD Ryzenシリーズの発表によりその地位も崩れました。

Intelはシングルスレッド性能の高さからマルチスレッドに最適化が進んでいないソフトウェアで安定した性能を出せることをアピールしてきましたが、AMDが優位に立ったことで製品価格と性能のバランスが大きく崩れる可能性が出てきました。

そこで今回はシングルスレッドでもIntelを超えたAMD Ryzen第3世代についてご紹介します。

7nmプロセスルールでIntelの先を行くAMD

プロセスルールとは半導体回路の細かさを示しており、同じサイズであってもプロセスルールが小さいほど多くの回路を組み込むことができます。そのため半導体メーカーはより小さなプロセスルールで開発・量産するためにしのぎを削っておりAMD Ryzen第3世代は7nmプロセスルールで量産に成功しました。

一方、Intelは一部のハイエンド製品で10nm・普及製品で14nmにとどまっています。全製品の10nm化も計画がずれ込み続けており製造技術面でもAMDに完敗していると言えます。

>> CPU性能の見方とIntel CPUとAMD CPUの違い

性能はもちろん価格と発熱でもAMDが優位に

シングルスレッド・マルチスレッド性能は競合製品であるCore i9 9920Kとの比較でRyzen 3900Xは勝利していますが、製品価格と発熱でも勝利を収めています。

プロセスルールの細分化が遅滞し製造効率の悪さ故に1000ドルを超えるCore i9シリーズに対し、AMD Ryzen第3世代は最上位の3900Xが499ドルと半値以下の価格です。発熱の指標となるTDPもCore i9シリーズは165Wに対し、3900Xが105Wと大差を付けておりAMDの全面勝利です。

性能向上はもちろんPCI Express Gen4へ対応

Intelよりプロセスルールの細分化で先を行き、あらゆる性能で優位に立ったAMDですが新たなインターフェースへの対応も第3世代Ryzenでは行われています。

AMD Ryzen第3世代で対応したPCI Express Gen4は現行のGen3に比べ2倍の帯域があり、給電能力の向上も図られています。既にPCI Express Gen4対応のM.2 SSDに関する情報が出ており様々な製品がさらに高速化される見込みです。

一部のチップセットを除きAM4プラットフォームで動作可能

AMDはCPUソケットの互換性を重視しており、頻繁にソケット規格を変更して互換性を重視しないIntelとは製品開発における姿勢の違いを垣間見ることができます。

今回の第3世代Ryzenもこれまで同様にAM4ソケットを採用しCPUクーラーの互換性を確保しています。チップセットにおいても一部制約があるものの旧世代チップセットであっても第3世代Ryzenは動作するとされています。

>> M.2だから高速とは限らないPCI Expressインターフェース

まとめ

長らく圧倒的なシェアと性能で君臨し続けたIntelもプロセスルール競争に遅れた結果、AMDへ性能・価格で負ける結果になりました。すでにゲーミングデスクトップパソコンではRyzenが主流になりつつあり、販売数もAMDは順調に伸ばしています。

Ryzenシリーズの発表以降、順調にIntelへ追いつき追い越したAMD Ryzen第3世代ですが今後CPUのシェアがさらにどう推移するのか要注目です。