大幅なアップグレードを検討するとまずチェックすることが電源ユニット容量の確認と使用電力の計算です。もしフル稼働中に電源供給不足に陥るとフリーズや強制シャットダウンを引き起こすため、長時間安定して全力稼働させたいゲーミングパソコンには重要なパーツの一つです。今回は電源ユニットを交換するときの注意点をご紹介します。
消費電力の計算をする
各パーツの性能表示やメーカーサイトから消費電力を調べます。CPUの場合はTDPの1.3から1.5倍程度が消費電力量と仮定します。すべてのパーツの合計消費電力を出した後は電源ユニット容量の50%以内に収まっているか確認します。
50%を超えると電源変換効率が落ち廃熱や電気代に影響するだけでなく、オンラインゲームのようにCPUとGPUが瞬間的に大電力を必要とする際にパフォーマンスを発揮できない場合があります。もしゲーミングパソコンでなければ50%を超えても問題ありません。
80PLUS認証はGOLD以上がお勧め
予算に余裕がある際は上位3つのGOLD・PLATINUM・TITANIUMを選ぶとほとんど間違いがありません。高価な分だけ保証期間も長く安心して使い続けられます。このクラスになるとプラグイン方式を採用している製品がほとんどで交換時の配線が楽になるだけでなく、不要なケーブルを外すことでメンテナンス性が落ちずエアフローの妨げにもならないと良いことずくめです。
80PLUSについては「電源ユニットのランクと違い」でさらに詳しく紹介しています。
ミドルタワーやパソコンケース内に余裕がない場合はSFXで省スペース化
SFXタイプは奥行きが短くなっており一般的なATX電源ユニットよりも小さなスペースで済みます。ケーブルが多くてパーツと干渉している場合や電源ユニットとグラフィックボードが非常に近い場合はエアフロー向上のためにも小さなSFXタイプがお勧めです。
小さい分、性能的には650Wが上限な為ハイエンドのグラフィックボード搭載は出来ませんがミドルクラスのグラフィックボードと一般的な構成なら全く問題ない容量です。
交換時はパーツへ接続する電源ケーブルの間違いに注意
マザーボードへ接続する補助電源コネクタとグラフィックボードへ接続するコネクタは形状が酷似しており、無理に接続すると火災や事故につながるため作業前に各ケーブルの種類と接続先をチェックします。
コネクタの形状だけで安易に判断すると取り返しが付かない結果を招くため、面倒に感じてもマニュアルは熟読してから作業を始めるとトラブルを避けることができます。
電源ユニットの交換と合わせて雷対策も
電源ユニットの交換時には電源ケーブルの交換もあるため、せっかくですから雷ガード付きのOAタップも導入しましょう。ゲーミングパソコンの場合、雷がコンセントからではなく光ファイバーやルーターから有線LANケーブルを経由してマザーボードを破壊するケースもあるためLANポートの雷対策も重要です。
各種雷対策製品にはアースの接続が必要なものと不要なものがあり、アースが必要なものはアースを接続しないと効果がないだけでなく、地表に落ちた雷がアースを逆流してパソコンを破損させる可能性がある点には注意しましょう。
まとめ
電源ユニットは各パーツの起点となる重要なパーツですが、交換が必要となるケースは非常に希です。しかし交換せず長く使い続けられるパーツだからこそ高品質な電源ユニットを選ぶメリットが大きいことも確かです。
電源ユニットだけは大容量・高性能重視の製品選びをしたほうが元が取れるまで長く使い続けられるため、予算が許す限り高品質な製品の購入をお勧めします。