※当ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

ハイエンド液晶モニターと色空間の関係

ゲーミングモニターなど高価格帯のモニターは表現できる色が重視されており、4Kと一緒にHDR(ハイダイナミクスレンジ)の普及が急速に進んでいます。

モニターで表示できる色は、色空間の規格でどの程度の表現力があるかが公表され、表現力が高いモニターほど高品質とされています。そこで今回はハイエンドモニターと色空間の関係についてご紹介します。

電子機器同士で色の互換性を持たせるために作られたsRGB

1998年にモニターやプリンター、デジタルカメラなどの電子機器同士で表現する色の互換性を持たせるために作られたのがsRGBです。

sRGBに対応した機器同士なら表現したい色をそのままやり取りできるため、デジタルカメラで撮影したデータをパソコンで加工し、プリンターで印刷しても色の差が少なくなりました。以前は出力する機器に合わせた色調整が必要だったことを考えると大きな進歩でした。

DTPなど印刷関係の分野向けに作られたAdobe RGB

sRGBと同じ1998年に作られたAdobe RGBは名前の通り、ソフトウェアメーカーのAdobeが作りました。sRGBでは緑系の色空間が狭かった欠点を改善し、多くの色表現が出来るようになっています。

印刷物を扱う業種では標準的な規格であり、プリンターで印刷したときの色とモニターで表示される色を一致させることができます。

映像表現を高めるために色空間も求められる時代になって作られたDCI-P3

アメリカの映画制作業界が作ったシネマフィルムに合わせた規格であり、フレームレートや色深度についても細かい規定があります。

Adobe RGBよりも赤系の表現力を高めていますが、表現できる色域はわずかに劣ります。映像編集の現場で多用されるMacもいち早くDCI-P3に対応したモデルをリリースしています。

色空間の定義はRec.709から始まった

Rec.709はハイビジョンのアナログ放送向け色空間として1990年に策定されました。当時としては最先端の規格でしたが、最近ではBENQといった低価格帯で人気のあるメーカーでも100%の再現度を誇る製品をリリースしています。

今注目されているのは8Kを見据えたRec.2020

現在では8Kのハイパーハイビジョンを見据えたRec.2020が策定されています。これまで登場してきた規格を全てカバーし、圧倒的な再現力があります。

解像度だけでなく、より現実に近い色表現を目的としたRec.2020はこれからのハイエンドモニターの性能を測る代表的な指標となります。

色空間の広さはRec.2020>Adobe RGB>DCI-P3>sRGB>Rec.709

Rec.2020以外は用途ごとに向き不向きがありますが、色域だけ比較すればRec.2020・Adobe RGB・DCI-P3・sRGB・Rec.709の順番に狭くなっていきます。

色空間の規格はハードウェア開発よりも進んでおり、Rec.2020ならカバー率80%台、Adobe RGBならカバー率99%台が一般ユーザーが入手できる上限スペックです。

まとめ

ホームビデオも4Kがスタンダードになり、自宅のパソコンで画像や映像を扱う機会は増え続けています。そのような中で印刷やリビングのテレビに出力した際に意図した色が再現できないとせっかくの苦労も無駄になってしまうこともあり、広い色域に対応したハイエンドモニターはホームユーザーにこそ必要ではないでしょうか。