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大容量SSDだからこそ必要なUPSについて

ひとつのセルに4bitのデータを記録するQLCの普及により大容量化と低価格化が急速に進んでいますが、そのデメリットについてはあまり語られることはありません。

もちろん可動部品のあるHDDよりも耐衝撃性能には優れますが、急なシャットダウンといった電気的トラブルについていえばHDDよりも弱い面もあります。そこで今回は大容量SSDだからこそ必要なUPSについてご紹介します。

QLCの信頼性はもともと低く、あらゆる技術で信頼性を向上させている

QLCはひとつのセルに対し4回書き込むため、セルの書き換え回数が増大します。セルの書き換え回数は有限なためQLC NANDは採用が遅れた経緯があります。

さらにNANDの微細化を進めると密度が増して容量が増える一方でセル同士が近くなりすぎてデータ保持が困難になるという問題もあり、大容量化でしか耐久性を確保できないQLCの足かせにもなっていました。

最終的にはNANDを積層化した3D NANDによって大容量化とセルサイズの大型化が可能になったことでQLCが製品として十分な信頼性を得るに至りました。

瞬断や停電時に読み書き中のセルが危険

バッテリー駆動可能なノートパソコンでは関係ありませんが、電気的なバックアップがないデスクトップパソコンでは瞬間的に停電する瞬断や停電に影響を受けてしまいます。

電源ユニットの容量が大きければ一時的に電気を蓄えるコンデンサ容量も大きく、瞬断に耐えられる可能性は高まりますが停電時はどうしようもありません。もし読み書きアクセス中のSSDやHDDがあればデータ消失やパーティション構成の破壊といった深刻なトラブルに発展する可能性があります。

4bitのQLCなら失われるデータも4倍

停電による故障リスクは以前から存在していましたが、QLCではそのリスクが他のストーレジ製品よりも高くなっています。それはひとつのセルに4bit分のデータを格納しているため、わずかひとつのセルがダメージを受けるだけで一気に4bit分のデータが消失してしまうためです。

もし多くのセルに対して読み書き中に停電してしまったなら「影響を受けたセル数×4bit」分のデータが影響を受けてしまいます。

こまめなバックアップかUPSか

停電によるリスクが高いQLCですが、2019年現在のSSDはQLCを採用した大容量製品がほとんどであり信頼と実績のあるMLCはエンタープライズ向けという位置づけです。

一般ユーザーならQLCのSSDにスケジュールバックアップか無停電電源装置(UPS)を組み合わせてデータ消失に備えるしかなく、導入コストと維持費とのバランスでどちらが最適かが変わります。但し仕事で使うデータを自宅に持ち帰るなど信頼性を最重視するならUPSが最適です。

まとめ

SSDの低価格化と大容量化を成し遂げる上でQLCは必要な技術ですが、そのメリットをただ享受するだけでなくリスクにも目を向けなければなりません。もちろん対策のためにコストや手間は不可欠ですが、いざという時にかける時間や費用と比べれば軽微なものと言えます。

バックアップするならNASを検討するのもいいでしょう。詳しくは「ゲーミングNASのメリット」をご覧ください。