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高耐久や産業用を謳うストレージ製品の違い

USBメモリやSDカード、SSDの一部には高耐久や産業用を謳う高額な商品が多々あります。性能としては極端に良いわけでもないのにこれらの製品は他の商品よりも数倍・数十倍の価格設定がされており、処分特価などで大幅に値引きされていてもまだ割高です。そこで今回は高耐久や産業用を謳うストレージ製品についてご紹介します。

NANDフラッシュメモリは1つのセルに多くのデータを保存するほど大容量化できるが信頼性は落ちる

USBメモリやSDカード、SSDに採用されているNANDフラッシュメモリは1つのセルに多くのデータを保存することで保存容量を増やしていきました。SSDでは1つのセルに3バイトのデータを保存するTLCから、4バイトのデータを保存するQLCへ移行が進んでいます。

保存容量が増えること自体は喜ばしいことですが、1つのセルへより多くのデータを保存することでセルの書き換え寿命が早く進む上に信頼性も大きく低下します。

高耐久や産業用を謳うストレージ製品はSLCを採用している

1つのセルに1バイトのデータを保存するSLCはSSDやSDカードが現在ほど大容量化する前に採用されていましたが、現在は高額な産業用製品で行き残っています。

TLCやQLCほどの大容量とコストパフォーマンスは望めませんが、耐久性と信頼性は非常に高く、学術的に価値のあるデータの記録やデータの損失が許されない商業目的で使用されています。

個人ユーザーが高耐久なストレージ製品を購入する価値は限定的

通常、産業用の高耐久なストレージ製品を購入するのは故障やトラブルが起きてもすぐに対応できない遠隔地に設置する機器や故障によって損失が出るデジタルサイネージといった分野です。

一般消費者向けのストレージ製品よりも多い読み書き回数をそのまま活かして酷使するのではなく、安心して利用できる範囲で使用して故障する前に新品と交換する運用をすることでトラブルを回避します。

個人ユーザーなら安価なmicroSDカードに映像を保存する防犯カメラなどが該当しますが、全体のコストを考えるとNASやクラウドを利用した方がお得です。

SSDの製品寿命を確認する方法

SLC MODEは安価なQLC NANDをSLCとして使う

高耐久ストレージ製品はSLC NANDを採用していますがSLC NAND自体の価格が高いため製品としての価格も非常に高額です。そこで安価なQLC NANDを擬似的にSLCとして動作させる「SLC MODE」を採用した製品がTranscendからリリースされています。

16GBのQLC NANDを使って4GBのSLC MODE製品を作った方が全体のコストしては安く、製品の価格も下がる見込みですが今後の普及と実際の耐久性に注目です。

まとめ

個人ユーザーには馴染みのない高耐久・産業用ストレージ製品ですがその価格に似合うだけの信頼性を備えた製品がほとんどです。

一般の量販店に並ぶことはなくAmazonなどのオンラインショップからしか購入できませんが、重要なシーンではその信頼性でユーザーに答えてくれる点は一般消費者向けのストレージ製品にはないメリットと言えるのではないでしょうか。