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内蔵グラフィック非搭載のIntel CPU Fシリーズとは

Intel製のCPUは度重なる脆弱性の発見や生産の遅れなど話題に事欠きませんが、ついに内蔵グラフィックスを削除したFシリーズを発表しました。AMDのRyzenではゲーミングユーザー向けに内蔵グラフィックスがないCPUが多いため珍しくありません。

しかし、万人受けするCPUでシェアを伸ばしてきたIntelからも内蔵グラフィックスがない製品をリリースしたことは極めて異例です。そこで今回は内蔵グラフィック非搭載のIntel CPU Fシリーズについてご紹介します。

モデルナンバーに「F」が付くモデルは内蔵グラフィクスが削除されている

Core i9 9900KF/Core i7 9700KF/Core i5 9600KFなどモデルナンバーの最後にFが付く製品が今回新たに加わったシリーズです。

内蔵グラフィクスがないためグラフィックボードを別途購入する必要がありますが、ゲーミングパソコンではグラフィックボードを有効化するため影響はありません。もちろんゲーム用途ではないユーザーはわざわざグラフィックボードを購入する分コストは高くなってしまいます。

Fシリーズでは法人向けの機能も削除されている

FシリーズはIntel vPro Platform Eligiblity/Intel Stable Image Platform Program/Intel Trusted Execution Technologyの3つが削除されています。

いずれも企業内パソコンの管理や仮想マシンのセキュリティ向上といった一般的な用途なら削除されていても支障ありません。しかしグラフィックボードを搭載していても企業内で使われることが多いワークステーションではこれらの機能が必要になるケースがあるため要注意です。

ゲーミング向けに低発熱をアピールしているが実際には製造数を増やすための施策

Intelは内蔵グラフィクスを削除したことで発熱が抑えられることを謳っていますが、実際にはCPUの生産数を増やすための施策でFシリーズは誕生しました。

Intel製CPUは主力製品の量産や次期主力製品開発で遅延が続いており、CPUの供給不足が解消されていません。そこで内蔵グラフィクスを削除することで生産性を上げ、市場への供給量を増やすために考え出された製品がFシリーズです。

Fシリーズ最大の問題は販売価格と需要のなさ

内蔵グラフィクスやIntelの独自機能がないことよりも問題なのはFシリーズの販売価格です。機能が削除されているにも関わらず販売価格は数百円しか安くなっておらず、わざわざ汎用性の低いFシリーズを購入するメリットがありません。また下取り価格も低くなっており、需要のなさから買い換えで処分する際は通常モデルのCPUより価値が下がりやすい点に注意しましょう。

まとめ

Intelの都合で新たに生まれたFシリーズは残念ながら指名買いするほどの価値はありません。もしFシリーズのCPUを購入するなら脆弱性の少ないAMDのRyzenの方が将来性のある選択肢であることは間違いありません。

またグラフィックボードのトラブルに遭遇した際に内蔵グラフィクスがなければ応急処置も難しいということもあり、購入する前に十分検討することをおすすめします。