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低価格帯HDDでも採用が始まっているSMR方式とは

HDDの容量は日々進化していますがクラウドサービスなどのデータセンター需要は高く、今後もHDD一台あたりの記憶容量は増え続けると見られています。しかし大容量化を実現した技術の中にはユーザーが特性を知らずに購入すると期待通りの性能を得られないケースもあり、一概に喜べないというがあります。そこで今回は大容量HDDで主に採用されているSMR技術と特徴についてご紹介します。

SMR方式はHDDの大容量化を実現

SMR方式は書き込み密度を高めて大容量化を実現正式名称はシングル磁気記録方式ですがSMR方式や瓦記録方式と呼ばれることが多いです。HDDはプラッターと呼ばれるディスクに磁気ヘッドで書き込みます。

従来は磁気ヘッドで書き込んだ領域を避けて他の書き込みを行いますが、SMR方式では他のデータ領域に少し重ねて磁気ヘッドが新たな書き込みを行います。これによりプラッター1枚あたりに記録できる容量が増加し、HDDの大容量化を実現しています。

SMR方式はデータの書き換えが苦手

データを一部重ねて記録するSMR方式はHDDの大容量化に大きく貢献していますが、用途によっては書き込み速度の低下を招いてしまいます。特にSMR方式HDDへOSをインストールし、システムドライブやシステムキャッシュ用に使うと大幅な速度低下に繋がります。

これは重ね書きしたデータを書き換えると隣接する他のデータも影響を受けてしまうため複雑な処理が追加されてたことによるものです。SMR方式のHDDには一部SMR方式ではない従来どおりの記録を行うキャッシュ領域が存在し、隣接するデータに影響がある書き込みはキャッシュ領域へ行われます。

そしてHDD自身のタイミングでデータ領域を整理しながら順次SMR方式の領域へ反映していきます。このキャッシュ領域がいっぱいなる使い方やSMR方式の領域へ反映させている間は書き込みが大幅に低下します。

WD製2TBモデルでもSMR方式が採用

主に6TB以上のモデルで採用されてきたSMR方式ですが、WDは新しい2TBモデルのHDDにSMR方式を採用し始めました。プラッターの枚数が減ることで製造コストを下げる狙いがあるようですが、パソコンユーザーにとって低容量なSMR方式HDDはデメリットしかなく購入する際は非SMR方式の旧製品がおすすめです。

SMR方式HDDは映像記録やRAID構成向き

データの書き換えが苦手なSMR方式ですが、1ファイルが大きく頻繁に書き換えが発生しにくいテレビ録画や4K動画に適しています。もしパソコンをレコーダー代わりに使うなら大容量で安価なSMR方式HDDは最良の選択肢です。また複数のHDDへ書き込みを分散できるRAID0構成なら書き込み速度の低下も発生しづらく実用的です。

まとめ

得意・不得意がはっきりしているSMR方式はHDDの主流となっておりユーザーがその特徴を正しく理解して運用する必要があります。しかし、多くのHDDメーカーがSMR方式を採用していながら、SMR方式かどうか明記されていないケースもあります。

そのようなHDD製品もベンチマーク結果やプラッターの枚数で推測することは簡単ですのでシングルHDD構成で書き込み速度を落としたくない際はよく調べてみましょう。