デスクトップ向けCPUで性能・シェア共にIntelを圧巻しているAMDですが、モバイル向けAPUも供給が続けられており低価格帯ノートパソコンではスタンダードな存在です。
Ryzen Mobile以外は目立たないモバイル向けAPUシリーズですが、価格と性能のバランスの良さからコンパクトパソコン向けのITXマザーボードに採用されるケースもあり簡易サーバーとしての需要を満たす存在でもあります。そこで今回は低価格帯向けAMD製モバイル向けAPUについてご紹介します。
最も低性能だが価格も最低のEシリーズ
EシリーズはAMD製APUの中でも最も低性能・低価格なブランドであり、5万円以下で販売されるノートパソコンで主に採用されています。
他にも正月や新店舗オープンセール用の特別モデルにも採用されていますが性能面ではIntel Atomシリーズとほとんど差がなく、2コア2スレッドということもありパソコン全体のパフォーマンスは低いという特徴があります。
しかしグラフィック性能は超低電圧版Core i3に匹敵するほど余裕があるため、意外な利用シーンで活躍することがあります。
Ryzen MobileとEシリーズの間を埋めるAシリーズ
AシリーズはEシリーズよりも高スペックですがRyzen Mobileには及びません。しかしEシリーズよりもパフォーマンスは大幅に改善されているためSSD等の高速ストレージとの構成なら快適に動作します。
グラフィック性能も強化されておりIntel グラフィクス4000を超える結果も十分期待できます。
かつてのハイエンドFXシリーズ
FXシリーズはAシリーズを超えるハイエンドブランドであり、4コア4スレッドと高いターボクロックによる快適なパフォーマンスを実現します。
最後にリリースされたFXシリーズは2015年であり、現在はその座をRyzen Mobileに譲りましたが事務作業など負荷の低い用途ならまだまだ現役で活躍できます。
FXシリーズはITXマザーボード等でも採用実績あり
Intel AtomシリーズがITXマザーボードに採用されているようにAMDの製品もITXマザーボードに採用されています。中でも低価格で高いパフォーマンスのFXシリーズが人気があり、拡張性も十分余裕があるため小型でコストパフォーマンス追求型の需要を満たす貴重な存在となっています。
AMD製APU最大の強みは性能低下しないこと
Intel製CPUに関する数々の脆弱性発見と修正プログラムによる性能低下は元々の性能が低いパソコンをさらに遅くしており、その影響は無視できません。しかしAMDのAPUシリーズなら脆弱性の悪用や性能低下を気にする必要がなく、購入後も安心です。
まとめ
低価格向けAMD製APUはコストパフォーマンスの良さを重視しており、CPU性能をあまり必要としないシーンや導入コストをとことん抑えたいケースに最適な製品です。
Intel製CPUに関する問題が一向に解決する兆しが見えないことを考えると低スペックパソコンほどAMDを選ぶことが賢明と言えます。