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ホットスワップ対応機器と接続時の注意点

ホットスワップとは接続機器同士の電源を切らない状態で接続・切断することで活線挿抜とも言われます。一昔前のパソコンでは電源投入前に全ての機器を接続し、周辺機器の電源が入った状態でパソコンを起動させる必要がありました。

しかしホットスワップの登場によりパソコンを起動させたままあらゆる機器を差し替えることが可能になりました。そこで今回はホットスワップ対応機器と接続時の注意点についてご紹介します。

各種条件が揃うことでホットスワップが可能になった

ホットスワップは接続に使用するハードウェアとソフトウェア全てが対応して初めて使用可能であり、具体的にはコネクタ規格・チップセット・BIOS・OS・ドライバの全対応が条件です。

そのためコネクタ側がホットスワップに対応するように策定されても実際にOS等の対応が済みホットスワップが使用できるまでに年月がかかることが一般的です。

SATA2.0以降はホットスワップに対応

SATAはバージョン2.0以降でホットスワップに対応しています。HDDなど電源ユニットから電源供給を受けている際は個別に電源をON/OFFできるスイッチを実装する必要があります。

なお古いマザーボードではIDEモードがデフォルト設定になっており、BIOS設定でIDEモードからAHCIモードへ変更しておかなければホットスワップが使えない点には注意が必要です。

SATAがホットスワップに対応したことでNASなどのHDDを容易に交換可能に

パソコンを起動させたままSATAストレージを着脱させたいという状況は希ですが、NASやサーバー機では内蔵ストレージを交換できるメリットは絶大です。

基本的にひとりしか使わないパソコンと違いNASやサーバーは複数のユーザーがアクセスし続けており、内蔵ストレージの増設や交換の度に停止することは困難です。

しかしホットスワップならユーザーが気付かない間にメンテナンスを終えることができるためいつでも作業を行うことができます。

廃れた規格のIEEE 1394やeSATA・PCカードもホットスワップ対応

現在ではほとんど見かけなくなったビデオカメラ等の接続で使われたIEEE 1394やeSATA・PCカードもホットスワップ対応していました。eSATAは一部の産業向け機器では現役で採用されており、主に映像関係の分野で定期バックアップを取得する際に予備ストレージと接続するインターフェースとして残っています。

ホットスワップの長所を活かして普及したUSB

USBは規格策定段階でホットスワップを盛り込んでおり、ソフトウェア対応が早かったことから普及が進み現在では必須のインターフェースです。バージョンを重ねるごとに高速化と供給可能な電力量増加を遂げ、ますます便利になっています。最新のType Cへ移行が進んでいますが完全移行にはまだ数年はかかる見込みです。

ホットスワップは斜め差しによるショートに注意

気軽に抜き差しできるホットスワップはとても便利ですが、手荒に扱うと製品の破損に繋がる恐れがあります。特にデータ通信だけでなく電力供給も行っているインターフェースでは、接続ケーブルの斜め差しによって異なる端子同士が触れ、異常な電圧がかかり故障するケースが報告されています。

特に端子が小型化したUSB Type Cでは斜め差しによるショートの危険が高く、接続する際は良く確認する必要があります。

まとめ

利便性の高いホットスワップはあらゆるインターフェースで採用されていますが、非常に複雑且つ繊細な面も併せ持っています。

また古いインターフェースではホットスワップに対応することが困難なものもあり、LANケーブルで通信と電力供給を行うPoEでは活線挿抜することで不具合や故障などのトラブルを起こしてしまいます。

これらのことを踏まえてケーブルを抜き差しする際はホットスワップに対応しているか、ケーブルは正しい向きかどうかに気を配り使用しましょう。