コピープロテクトが施された地デジの録画DVDやBDはレコーダー等ならそのまま再生可能ですが、パソコンで再生するにはハードウェア要件を満たした上に復号化キーが必要です。
さらに復号化キーは定期的に更新されるためその都度最新の復号化キーを入手し続けなければパソコンで再生できなくなってしまうという仕様です。そこで今回は地デジの録画DVDや市販のBDをパソコンで再生するときに必要な復号化キーについてご紹介します。
パソコン上でメディアの再生だけでなく複製も可能なため誕生した更新できるプロテクト
地デジの録画時に使用されるCPRMとBDで採用されたAACSは過去に突破されてきたコピープロテクトと異なり、バージョンアップが可能です。
そのため解析・突破されてもどんどん更新し続けることで対策し続ける仕組みを採用しており、パソコンで再生する際は最新の復号化キーが必須です。
復号化キーはライセンス料が絡むため有償による提供が基本
新しい復号化キーは数ヶ月単位でリリースされており、ユーザーは再生ソフトウェアメーカーからアップデートという形で復号化キーを入手します。
そして復号化キーはライセンス料の関係で無償提供するメーカーはなく、ユーザーは再生ソフトウェアを購入しなければなりません。さらに再生ソフトウェア購入後も復号化キーの更新チェックはメディアを読み込んだ際に行われるためオフラインのパソコンで市販のBDを再生することは不可能になっています。
復号化キーの提供はメーカーの定めるサポート期間中のみ
復号化キーそのもののライセンス料や配信に必要なコストの問題から、ソフトウェアメーカーがサポートを打ち切った製品では復号化キーが提供されません。PowerDVDで有名なCyberlinkの場合は「2世代先の製品が発売してから1年間まで」というルールが存在し、定期的な製品のアップグレード購入が必須です。
そのため一般的に古いバージョンが付属するメーカーパソコンやバルク品の光学ドライブでは短期間しか復号化キーの提供を受けられないことが珍しくありません。メーカー製パソコンのカタログ等でBD等の再生可能な期間について数年しか保証しない旨が記載されているのはこのためです。
唯一VLC Playerなら復号化キーを無料で入手して再生可能
BDで採用されているAACSは有志によってVLC Player向け復号ライブラリと復号化キーが無償公開されており、市販の再生ソフトウェアがなくとも基本的な視聴は可能です。
特に大手のソフトウェアメーカーがサポートしていないMacOSやLinuxでBDを再生するにはこのVLC Playerによる方法が有効です。しかし日本国内で施行されている著作権法においては著作権者の許諾が取れているかどうか不透明なことから完全に合法とは言い切れません。
まとめ
コピープロテクトと利便性は相反するものであり、アップデートによりバージョンアップし続ける昨今のコピープロテクトはユーザーへ半永久的に一定の支出を強いる仕組みです。
ユーザーとしてはよりサポート期間の長い再生ソフトウェアを選ぶか、法的に不透明な復号化ライブラリ等を使用する他に方法がなくパソコンで視聴するには今後も様々な障害がついて回ります。
しかしこのような方法でしか著作権とクリエイターを守ることができないためコピープロテクトと上手に付き合っていけるよう法律の範囲内で視聴することが大切です。