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SATA Expressが消えた訳と活用法

かつて次世代の内蔵ストレージ向けインターフェースとして登場したSATA Expressですが、最近では採用マザーボードがなく規格としては失敗という扱いです。

現在でも多用されているSATAの発展系でありながらM.2に道を譲ることになったSATA Expressですが、採用したマザーボードはその多くが現役で稼働しています。そこで今回はSATA Expressが消えたわけと活用法についてご紹介します。

SATA Expressは専用コネクタとSATAコネクタ2つの計3つを同時に使用する規格

SATA3の6Gb/sを超える規格として登場したSATA ExpressはM.2と同じ10Gb/sを超える性能を実現しています。コネクタは3つに分かれており、専用コネクタとSATAコネクタ2つを同時使用することでSATA Expressコネクタになります。コネクタはもちろんマザーボード上でも場所を取ることが多く、小さく収まっているM.2とはアプローチが異なりました。

SATA Express採用のストレージ製品がほとんど流通しなかった

SATA Express採用のマザーボードは多くリリースされましたが、対応ストレージは国内で流通がほとんどなく多くのユーザーが目にすることなく規格として消えてしまいました。SATA Express接続に対応した製品そのものがレアな存在であり、様々なメーカーからリリースが相次いだM.2接続製品に大きく差を付けられました。

SATA Expressは排他利用など制約が大きかった

SATAコネクタを2つ占有するSATA Expressは使用時に他のSATAコネクタが使えなくなるケースがあり、接続可能なストレージ台数が制限されるという大きなデメリットがありました。

さらにM.2コネクタがあるマザーボードではSATA Express使用時にM.2コネクタが使用できませんでした。このようなデメリットに加え、ノートパソコンなど筐体が小さくても採用可能なM.2に対し、コネクタが大きいSATA Expressは内部空間が限られた製品では採用が困難でした。

SATA ExpressはUSB3.1へ変換して活用できる

2014年頃から2018年までマザーボードに採用していたSATA ExpressはUSB3.1へ変換することが可能です。USB3.1の増設ボードよりも割高ですが、グラフィックボードで拡張スロットが埋まっている場合や内部スペースの問題で増設ボードの取り付けが困難なパソコンでは有力な活用法です。

USB3.1へ変換する製品としてはASRockからフロントベイ用に1モデルだけがリリースされています。もちろんM.2コネクタと排他利用になっているためM.2接続のSSDを搭載している場合は接続できません。

まとめ

USB3.1としての近い道が残されているSATA Expressですが規格としては残念なことに失敗で終わりました。しかしマザーボード上に実装されたコネクタとしては約4年間にわたって多くの製品に採用され、条件が合えばUSB3.1として活用できるケースがあるためUSB端子の増設を検討している際はSATA Expressコネクタの活用を検討してみてはいかがでしょうか。