どこからアクセスしても指定したVPNサーバーを経由することでアクセス元を隠しながら安全にネット利用が出来るVPN接続ですが、接続に使われるプロトコルや暗号化のタイプは様々です。
中には利便性が良いもののセキュリティ上使うと危ないプロトコルもあり、自分でVPNサーバーを立てる際は要注意です。そこで今回はVPN接続プロトコルの種類と自宅にVPNサーバーを立てるメリットについてご紹介します。
VPNが何なのかについては「オンラインゲームを安全かつ自由にプレイできるVPNとは」で解説しています。
自宅にVPNサーバーを建てれば自分だけの専用VPNとして活用できる
外出先から自宅のネットワークに入ることでパソコンの電源を入れる・パソコンを外出先から遠隔操作が可能になります。一部のエアコン等IoTに対応した家電製品も外出先から遠隔操作できるという点では同じですが、ほとんどの家電メーカーが遠隔操作サービスを有償で提供しています。
もし自宅にVPNサーバーを建てれば有償の遠隔操作サービスを使わずにスマホから家電の操作が可能になります。他にもフリーWIFIのように通信が暗号化されていないネット回線を使う時や、職場・学校などの通信内容を見られたくない時にも自宅のVPNサーバー経由でネットにつながるため匿名性と安全性を確保できます。
自宅にVPNサーバーを立てるなら高性能Wifiルーターがベスト
パソコンにVPNソフトウェアをインストールしてVPNサーバー化することも出来ますが、電気代の増加や通電時間が延びることでパソコンの製品寿命に悪影響が出るためお勧めできません。またセキュリティ的にもWindowsをサーバーに転用することは望ましくありません。
そこで高性能Wifiルーターに搭載されているVPNサーバー機能の出番です。Wifiルーターなら電源は常に入っていますし、ゲーミングWifiルーターならセキュリティもしっかりしています。
そしてパソコンを遠隔操作する際もWifiルーターが起点となるため導入の敷居が低くなりネットワーク初心者でも扱いやすいというメリットもあります。
旧世代のVPNプロトコル「PPTP」
PPTPは歴史が古いこともあり対応機器の多いVPNプロトコルの一つです。低スペックなWifiルーターがサポートしているVPN接続では主にPPTPが使用されています。
しかし最近では暗号化に脆弱性があることを指摘されておりAppleのMacやiOSでは一切使用出来なくなりました。iPhone単体でのPPTP使用はもちろん、iPhoneをテザリングで使用する際もPPTPを使った通信だけはブロックされてしまいます。
スタンダードだが環境構築の難しいVPNプロトコル「L2TP/IPsec」
IPsecは暗号化、L2TPはVPN接続を担当することで暗号化しながらVPN接続ができるスタンダードなプロトコルの組み合わせです。法人用途で採用例が多い一方、導入するにはネットワークの仕組みを正しく理解できている必要があります。
最近のWifiルーターでは主に上位モデルが対応していますが後述のOpen VPNが使えるならわざわざ個人ユーザーがL2TP/IPsecを選ぶメリットはありません。
設定が簡単で汎用性の高いVPNプロトコル「Open VPN」
PPTPやL2TP/IPsecがOSレベルで多くのプラットフォームが対応しているのに対し、Open VPNは別途専用ソフトウェアを導入して使用します。対応プラットフォームはWindowsやMacはもちろんAndroidとiOSが含まれいます。
設定情報と暗号化した通信データを復元する鍵情報を含んだファイルを専用ソフトウェアに取り込むだけで設定が終わるため初心者でも簡単に設定できます。またセキュリティレベルも高く今最も人気のあるVPNプロトコルでASUSやTP-LinkのゲーミングWifiルーターでも使用できます。
まとめ
ASUSやTP-Linkが発売しているゲーミングWifiルーターは設定が簡単でセキュリティの高いOpen VPNが使える上に、外部からの不正アクセスを防ぐセキュリティ機能も併用すれば個人ユーザーとしては十分に安全なVPNサーバーを構築できます。
もちろん他にもVPNサーバーを安価に立てる方法はありますが、常にネット上へVPNサーバーを公開し続ける上で懸念すべき不安材料が多くお勧めできません。従って、自宅にVPNサーバーを立てるならゲーミングWifiルーターでOpen VPNが最適と言えます。