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インストール時にエラーや互換性の問題が発生する原因と解決方法

Windowsに限らずOSは数年おきに世代交代と同時に動作環境が大きく変わります。そのたびに問題になるのが古いソフトウェア資産が動作する環境の維持です。長い年数をかけて16Bitから32Bitへ移行し、64BitのOSが一般的になった現在でも多くのソフトウェアは32Bitで動き続けており様々な問題をはらんでいます。

中でも古いソフトウェアを最新OSへインストールする際にはトラブルが起きやすく、製品サポートが提供されていないソフトウェアを延命させる上で大きな障害になります。そこで今回はインストール時にエラーや互換性の問題が発生する原因と解決方法についてご紹介します。

トラブルが起きたらまずソフトウェアの推奨動作環境を調べる

ソフトウェアの推奨動作環境を調べることは基本中の基本ですが、意識してインストール前に調べているユーザーはほとんどいません。これは後述の古いソフトウェアを強引に実行する機能がOSに実装されているためほとんどの場合で問題が起きないことが挙げられます。

しかし、古いソフトウェアは現代のOS事情に配慮することなく開発されており、一度トラブルが起きるとOSの再インストールが必要なほど深刻なダメージを与えることも珍しくありません。ソフトウェアの推奨動作環境とインストール先の環境が異なる際はそのリスクを覚悟して導入しましょう。

インストールトラブルの多くは動作環境の違いとインストーラーにある

インストール途中でエラーになる場合はインストール先のOSが不適切なことが考えられます。これはインストールを行うインストーラーがOSに合わせてファイルのコピーやレジストリ変更を行えないためです。

インストーラーはあらかじめ決められた場所に必要な処理を行うよう決められており、ソフトウェア開発時に未発売だったOSが持つシステムディレクトリを理解することができません。これを解決するにはインストーラーへのショットカットファイルを作り、ファイルのプロパティから互換モードを選択します。

この時にソフトウェアがサポートするOSのバージョンを正しく選択しなければなりません。しかし、この手順で解決できるのはソフトウェア本体ではなくインストーラーだけであることに注意しましょう。インストール後にトラブルが起きる場合は、ソフトウェア本体へ互換モードの設定を試す必要があります。

古いソフトウェアは32Bit OSで動作させることが望ましい

WindowsOSは16Bitから32Bitへ移行し、現在は64Bitが基本となっています。しかし古いソフトウェアは32Bitや16Bitが混ざったものも珍しくなく、64BitOSで実行するには多くの障害があります。もし古いソフトウェアを数多く実行したい際は32Bit版のOSを使用する方が安全かつ確実です。

64Bit OSではWOW64というエミュレーターで32Bitソフトウェアを実行している

Cドライブ直下にある「Program Files」フォルダは64Bit版のWindowsでは二つ存在します。一つは純粋な64Bitソフトウェアであり、もう一つの「Program Files(x86)」には32Bitソフトウェアがインストールされており、実に多くのソフトウェアが64Bit化されていないことが分かります。

これらの32BitソフトウェアはWOW64というエミュレーターを介して実行することで本来動作できない64Bit環境で動作しています。

WOW64は全てのソフトウェアを実行出来るわけではない

WOW64は決して万能ではなく16Bitと32Bitが混在したソフトウェアは実行出来ません。Windows95や98の頃のソフトウェアがWindows10で動作しない原因はこれにあります。

ソフトウェア開発は古いソフトウェアの中身を引き継いで進めることで開発期間を短縮できることからひとつのソフトウェアに異なるBit数のコードが混ざることがあり、32Bit用エミュレーターであるWOW64ではどうすることもできません。

互換モードで解決しない場合は仮想マシンへ当時のOSをインストールするしかない

互換モードだけで解決できるケースもありますが、16Bitのコードが含まれているソフトウェアにはあまり効果がありません。確実に動作させるには当時の一般的なパソコン環境を用意することが近道ですが、実機を用意することは現実的ではないため仮想マシンを使いましょう。

Microsoftのサポートが終わった後も正規品であればライセンス認証も行えるため仮想マシンへ正規のライセンスでOSをインストールすれば古いソフトウェアの推奨動作環境を構築可能です。

まとめ

古いソフトウェア資産は簡単に手放せないことも多く、個人・企業問わず重要な問題です。Windowsには互換モードとWOW64があるものの、当時の環境を100%再現するなら仮想マシンが確実かつ理想的な手段と言えます。