ストレージを増設する際は外付けHDDなどが一般的ですが、ゲーミングパソコン周りの配線が増えてしまうという問題があります。しかし最近のWifiルーターはUSB接続で外付けHDDを簡易機能版NASとして使える製品が多く、Wifiルーターの近くにコンセントさえあればゲーミングパソコンの配線を増やさずにストレージを追加できてしまいます。そこで今回はWifiルーターメーカーごとのNAS機能の特徴をご紹介します。
国内メーカーはNEC・Buffalo・iodataの3社のみ
現在継続的に新製品を販売し、簡易NAS機能があるWifiルーターを展開している国内メーカーはNEC・Buffalo・iodataの3社です。国内メーカーは接続できるHDDの制限が厳しく実用に耐えないケースもあります。
一方海外メーカーではゲーミングWifiルーターを展開するASUS・TP-Linkも簡易NAS機能があり、高性能ルーターのスペックを活かした独自の活用法を提供しています。接続できるHDDは対応フォーマットが多く柔軟性があることも海外メーカー製品の強みです。
NEC
ネットワーク機器では古参メーカーですが個人向けWifiルーターではあまり特徴がありません。認識できる外付けHDDはFAT32フォーマットに限定されているため一つのファイルサイズが2GB以下、HDDも2TB以下という制限があります。他のFAT32が使える国内メーカー製品ではファイルサイズが4GB以下となっていますが理由は不明です。
他には一般的なNAS同様にアカウントを作りアクセス制限をかけることができますが簡易NAS機能付きWifiルーターなら全ての製品が備えているため極めて基本的な機能です。
Buffalo
基本的にはNECと同じく低機能ですが、Buffalo製外付けHDDのみ動作保証するというユーザーとしては意見が分かれる内容です。他にもLinuxなどで使われるXFSフォーマットの外付けHDDが扱えることでファイルサイズ等の制限がなくなる一方、XFSフォーマットは一時的に取り外してパソコンへ繋いでも認識できないという問題があります。
iodata
スマートフォン用アプリを使うことで外出先からでもNASへ保存したデータの閲覧やNASへアップロードが可能です。NASとしての機能はNEC・Buffaloと同じく基本機能にとどまっていますがこの簡易クラウドストレージ機能は便利です。しかしアプリの完成度やルーターの安定性は低くく、本格的に使い倒す際はNASを購入する方が良いでしょう。
ASUS
NAS機能とAiCloud機能を組み合わせて個人向けのプライベートなクラウドストレージを構築できます。スマートフォンアプリはもちろん、パソコンからブラウザ経由でNASへ保存したデータへアクセス可能ですがパスワード総当たり攻撃にも対応してセキュリティ的にも安心です。
NAS機能は国内メーカーと異なり一般的なNTFSフォーマットが使えるため一つのファイルサイズが8GB以下、HDDも4TB以下と条件が緩くなっています。さらに多くのモデルでUSBポートが2つあるため2台まで外付けストレージを接続できる点も海外Wifiルーターメーカーの強みです。
TP-Link
ASUS同様にUSBポートが2つあるだけでなくUSBハブを使うことで4台まで外付けHDDを認識できるモデルがあります。クラウドストレージ機能はありませんがNTFSフォーマットに加えてexFATフォーマットも扱えるため非常に汎用性が高く使い勝手が良いです。
まとめ
各WifiルーターメーカーごとにNASとしての機能や制限事項は様々ですが、用途に合えば複数のパソコンでNASを共有し、データのやりとりやバックアップもより簡単で高速に行えます。
しかし本物のNASにようにRAID構成には出来ないため、接続する外付けストレージは高品質な製品選びが重要です。簡易NAS機能を使う際はメリットとデメリットのチェックに加え、はじめからNASを購入するかどうかも検討することで失敗なく使い始めることが出来ます。