ファンは汎用品のためサイズや形状を確認すればいろんなタイプのファンへ交換することができます。特にBTOパソコンでは安価な標準的性能のファンが採用されるケースが多く、高性能なファンへアップグレードすることで簡単に静音化や冷却性能の向上が可能です。そこで今回は冷却ファンのアップグレードと性能の比較についてご紹介します。
交換できるファンの種類
簡易水冷ユニットのラジエーターファン・空冷式CPUクーラーファン・ケースファンなどがアップグレードできます。サイズは12cm×12cmが一般的ですが14cm×14cmなど大きな製品もあります。ファンはサイズが大きいほど風を生み出すブレードが大きくなるため高性能になり、低速回転でも十分な風量を生み出せます。ファンコントローラーやマザーボードのファン制御機能と合わせれば最小限の騒音で十分な冷却性能を得ることが出来ます。
ファンのスペック比較
回転数
1分間に回転する回数をrpmという単位で表記されています。高速回転のファンほど強力な風力を生み出しますが騒音も大きくなります。
PWM方式
4PINコネクタタイプのファンで回転数をパルス信号でコントロールします。マザーボードやファンコントローラー側のコネクタが4PINならPWM方式に対応しているファンを選ぶことで回転数の調整が簡単になります。一方、3PINタイプのファンは電圧で回転数をコントローラーするためマザーボードが対応しているか事前に確認する必要があります。もしマザーボードが未対応の際は別途ファンコントローラーを導入しましょう。
最大風量
1分間に送り込む風量をCFMという単位で表記されています。ブレードの枚数や形状だけでなくファンの大きさと回転数で決まります。ファンの厚みは2.5cmが主流ですが高い風量を実現するために厚みを3.8cmに増している製品もあります。
騒音レベル
標準状態で回転させたときの騒音をdBという単位で表記されています。この値が小さいほど騒音が小さく効率の良いファンと言えます。
ベアリング
高耐久ですが長期使用で騒音を発しやすいボールベアリングと低耐久で長期使用しも静かなスリーブベアリングが存在します。スリーブベアリングは密閉型と表記されることもあります。
ボールベアリングは長期使用で潤滑油が切れると異音が出やすいというデメリットがあり、スリーブベアリングは潤滑油を密閉することで克服しています。最近ではスリーブベアリングでも十分な耐久性をもった製品も多いため、長く静かに使い続けられるスリーブベアリングがお勧めです。
製品寿命
故障するまでのおおよその稼働時間です。長い製品ほど品質が良い証です。
回転数切り替えスイッチ
ファンのケーブルに回転数を変更するつまみやスイッチがある製品があります。ファンコントローラーには劣りますがストレージの冷却用など回転数の微調整が必要ない用途に向いています。
ファンの交換方法
まず今使用しているファンの型番を調べスペックを購入予定の製品と比較します。ファンの厚みやサイズが変わる際はパソコンケースに固定できるか寸法をチェックしましょう。ファンの周りはホコリが集まりやすいため古いファンを外した後はエアーダスター等でクリーニングします。
新しいファンの取り付けにネジを使う場合は過度に締め付けてねじ切らないよう注意しながら対角線上に締めながら固定します。高速回転タイプのファンへアップグレードする際は防振パーツを併用して振動を抑えれば騒音を軽減できます。取り付け後はパソコンケースのサイドパネルを閉じる前にテストを行いコードやパーツに接触していないか最終確認を行い作業完了です。
まとめ
冷却ファンはブレードの性能向上により高風量・低騒音化が進んでいます。3年前に購入したゲーミングPCであっても最新のファンにアップグレードすることで大きく性能をアップグレードすることができます。冷却ファンの価格は1000円台と安価なため冷却性能に不安がある・もっと騒音を抑えたい場合は積極的に交換して快適なゲームプレイができる自分だけのゲーミングPCに変えていきましょう。