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CPUクーラー・GPUクーラーの役割と空冷クーラーの選び方

数年前まで水冷パソコンは自作パソコンの中で最もハードルの高い構成の一つでしたが最近は簡易水冷という新たなジャンルのおかげでよく見かけるほどに普及しつつあります。BTOパソコンでも上位機種は水冷を選択できることも珍しくありません。今回は水冷を選択する理由と従来の空冷方式とどのような性能差があるかご紹介します。

CPU・GPUクーラーには水冷と空冷がある

どちらも発熱するCPUやGPUを冷やすという意味では同じです。CPUやGPUに代表される半導体は一瞬で超高温に達し、高温環境下では製品寿命が極端に短くなるため、冷却性能の高いクーラーが重要になりました。中でもCPUとGPUを酷使するゲーミングPCのパーツの中で最も重要なパーツとも言えます。

冷却が不十分だと性能が発揮できない

仮にクーラーを取り付けないとCPUやGPUは一瞬で高温になり、十分に冷えるまで安全のために性能を極限まで落とすダウンクロックや強制的に電源を切られます。安全回路が作動する温度は110度前後が一般的です。

各種温度センサーと保護回路があるおかげで大事に至ることはない昨今ですが、保護回路がなかった一昔前まではクーラーが外れてCPUやマザーボードが燃えるということが実際に起きていました。

クーラーが取り付けられていても冷却性能が不十分だとダウンクロックされ、ゲームプレイ中に処理落ちやラグが発生します。ダウンクロックの影響はプレイするゲームがどれくらいの負荷があるかで変わります。CPUやGPUの性能を使い切るような負荷が強いゲームの場合は正常なプレイができません。予算の関係でゲームの要求スペックギリギリでパソコンを自作を検討されている方やBTOを検討されている方は要注意です。

CPUに付属する標準クーラーやBTO標準構成のクーラーでも一定の冷却性能はありますが、室温やパソコンケース次第では長時間十分な性能を発揮できないことがあります。またゲーミングPC向けのクーラーへの交換はマザーボードを取り外しが伴う場合が多く、手軽にできない点も考慮して慎重に検討したいところです。

空冷パソコンは放熱板に空気を送り込んで冷やす

空冷パソコンは大きな冷却フィンにファンで風を送り冷却します。見た目にも単純ですが、フィンに満遍なくCPUの熱を行き渡せるためヒートパイプという金属管を補助的に採用しているモデルが主流です。ヒートパイプの中には熱輸送を行う物質が封入されており、CPUからの熱を絶えずフィンへ伝える働きをしています。

空冷パソコンの冷却性能はエアフローに大きく左右される

パソコンケースの外に排熱する水冷パソコンと違い、空冷パソコンのパソコンケース内は排熱で暖かい空気で次第に温まってしまいます。パソコンケースには通常排気ファンがあり、パソコンケース内の熱を逃がしますが吸気と排気のバランスが取れていないといつまでもパソコンケース内の温度が下がらず、どんどん冷却性能が落ちていきます。

対策としてはパソコンケース内の空気の流れであるエアフローが適切になるように組み立てるほか、煙突型と呼ばれる天板から排熱できる構造のパソコンケースの採用があります。いずれにしても水冷パソコンよりも排熱に気を使う必要があり、パソコンケースの吸気部分のクリーニングもこまめに行いたいところです。

空冷ゲーミングPCの放熱フィンは高性能な物ほど大きく重い傾向にある

空冷パソコンの冷却性能は、フィンの大きさ・ヒートパイプの本数・送風ファンの性能に左右されます。しかしファンは回転数を上げ過ぎれば騒音と振動が跳ね上がって大きくなることからフィンを大型化した製品が多い傾向にあります。

フィンはアルミや銅等金属素材を採用しているため、大型化に伴い重量が増しマザーボードへ負担をかけ輸送中に脱落して破損ということもあります。重量級の放熱フィンは1kgを超える製品も存在し、取り付けられるマザーボードが重さで反り返ると故障や不具合の原因となることから負荷を分散するためワイヤーでパソコンケースにフィンをくくりつけるなど工夫が必要です。

空冷ゲーミングPCを移動させる時は要注意

輸送中や箱から取り出す際のショックでフィンがマザーボードから脱落して他のパーツを破壊し、気付かずに電源を入れて火花が散る激しいショートや火災寸前という事態も起こり得ます。BTOメーカーも横倒しで梱包するなど、放熱フィンを支える輸送用の支えを付けてから出荷など対策を行っている場合が多いです。

しかし室内での移動などで脱落というケースもありますので空冷パソコンを移動させる際は慎重かつ設置後のチェックも欠かせません。脱落しなくても取り付けが甘くなってしまうと熱暴走で動作が極端に遅くなるため、パソコンを移動した後に遅くなったと感じた際はすぐに電源を切り放熱フィンの取り付け状態を確認しましょう。

まとめ

高性能なゲーミングPCには冷却性能の高いクーラーが必要不可欠です。水冷クーラーも普及していますが、まだまだ空冷クーラーの方が製品も置くゲーミングPCに搭載される場合が多いのが現状です。実際にしっかり理解して選べば空冷式でも十分冷却可能です。次回は空冷式のライバルである水冷式の紹介と比較をご紹介します。